FSH値が高くても-34
卵胞数は少ない 精索静脈瘤手術 歳月流るる
2025.08.27
40歳の方。高度の乏精子症のため顕微受精の適応。34歳から体外受精を開始。他院にて採卵5回以上(回数不明)、初期胚移植2回を経て、当院へ転院されて来られました。これまで成熟卵は採れて1個か2個、胚盤胞まで育たないという経過でした。月経6日目、卵胞は左に5ミリと4ミリの2個、右は見えません。初回の採卵、低刺激法で成熟卵2個が採れました。2個とも受精しましたが、発育は進まず、これまでと同様の経過。ここで、夫と相談。過去に泌尿器科で診察を受けていましたが、数年経過しており、あらためて男性不妊の専門外来で超音波検査を受けて頂きました。そこで精索静脈瘤を指摘され、早々に手術へ。その後、お休み期間を経て次の採卵へ。しかし、2回目の採卵は異常受精で培養中止。3回目の採卵は、精子数・運動率とも数値が以前より改善したおかげか、胚盤胞には到達したのですが、凍結には至りませんでした。翌周期の月経5日目、卵胞は右11ミリと7ミリ、左なし。休みました。さらに翌周期の月経4日目、卵胞は右4ミリ、左7ミリの2個。途中で通院できなくなり、お休みへ。翌周期の月経3日目、卵胞は右10ミリ、左5ミリ、卵胞数は少なく、大きさは不揃いと、卵巣機能は不安定な状況。周期を整えて、翌周期の月経3日目、5ミリの卵胞が数個、大きさが揃った状態。4回目の採卵、成熟卵が3個採れ、幸いなことに、初めて5日目胚盤胞2個が凍結できました。5年ぶりの胚移植。胚盤胞を移植すると妊娠されました。順調な経過で、無事に卒業されました。ご主人の迅速な行動が幸運を引き寄せました。土壇場でのファインプレーです。月日は瞬く間に過ぎ去るものです。(2021年9月)
