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FSH値が高くても-32 
卵胞数は少ない 遺残卵胞をくり返す

30代後半の方。FSHは20台後半、AMH0.20。他院にて高刺激法2回、低刺激法(クロミッド周期)1回を経ての転院。「卵胞は1個育ちましたが、空胞でした。その後は遺残卵胞が続いていました」。初診時、卵胞は左卵巣に1個、右卵巣には認めませんでした。自然排卵後、高温期のホルモン値は通常の半分以下と低く、高温期はガタガタした状態でした。高温期の途中から他の卵胞が育ち、遺残卵胞が次の遺残卵胞を呼ぶ状態でした。スプレーで排卵させた後、翌周期へ。月経4日目、5ミリと4ミリの卵胞が見えました。その二つの卵胞がゆっくり育ち、初回の採卵へ。成熟卵2個が採れました。ふりかけ法を行い、胚盤胞2個が凍結できました。次周期の胞状卵胞は2個。ホルモン剤は何も使用せず休みました。さらに翌周期、胞状卵胞は1個と少ない状態。自然排卵周期で移植を行いました。シート法も行いました。幸いなことに妊娠され、無事卒業されました。卵巣機能が低下すると、卵胞も育たず、育っても良いタマゴが採れなくなります。「難しいよ」と前医で言われておりましたが、幸い何とかなりました。(2020年7月)

刺激法を変えてみたら 発育・停止→停止→停止→停止→停止 ビタミンD

43歳の方。他院にて採卵8回、移植4回(初期胚1回、胚盤胞3回)、直前の4回の採卵(クロミッド周期)では毎回成熟卵が1個ずつ採れましたが、途中で発育が停止という状況でした。遠方から当院へ転院されて来られました。月経時期の診察で大きな遺残卵胞があり、その周期は排卵も早く、24日間と短い周期でした。初回の採卵では卵子が1個採れましたが未成熟卵でした。この時点で測ったビタミンD値は12.5と欠乏状態でした。翌周期の採卵(クロミッド周期)では成熟卵が1個採れましたが、桑実期胚で成長が停止となり、前医と同じ経過となってしまいました。月経周期を調整して次の採卵へ。月経4日目、5ミリと6ミリの卵胞が数個見えました。今回はクロミッドは使わず、他の方法ですこし刺激をしました。成熟卵が4個採れ、ふりかけ法を行うと3個が受精し、5日目胚盤胞が2個凍結できました。胚盤胞凍結は1年8ヶ月ぶりでした。幸い、初回の胚盤胞移植で妊娠されました。ビタミンDのサプリを摂取開始してから4ヶ月後のことでした。妊娠初期、ビタミンD値は30以上・正常値になっていました。その後、無事に卒業されました。44歳以降では、タマゴが育ち難くなります。何とか間に合いました。(2020年5月)