FSH値が高くても-28
卵胞数は少ない スクラッチ 男性不妊
2025.08.27
39歳、低AMHの方。高度の男性不妊のため顕微授精の適応。他院にてクロミッド周期の採卵2回、初期胚移植1回を経て、転院されて来られました。転院周期の月経3日目、FSHは20台後半、胞状卵胞は左卵巣に1個と少なく、卵巣機能が低下した状態でした。同一周期の高温期のホルモン値は低く、調整して卵巣機能の回復待ち。排卵時期の子宮内膜は、以前と同様に薄く、6.5ミリでした。初回の採卵周期、胞状卵胞は右卵巣には認めず、左卵巣に3個。その後、二つの卵胞がほぼ同じ大きさで育ち、初回の採卵へ。成熟卵1個が採れました。顕微受精を行い、無事に受精・分割し、胚盤胞で凍結できました(5日目)。採卵の翌周期、今回もFSHは20台後半、胞状卵胞は左卵巣に1個。ご本人の予定と合わず移植は見送り。排卵時期の子宮内膜は6ミリと今回も厚くなりませんでした。さらに翌周期は月経3日目で卵胞18ミリと大きな遺残卵胞がありました。月経周期を整えて、さらに翌周期、胞状卵胞は1個、遺残卵胞なし。ここまで排卵時期の子宮内膜が6ミリと薄いので、ホルモン補充周期をしてみましたが、薄いままでした。スクラッチを追加して移植へ。幸いなことに妊娠されました。卵胞数は少なく、精子の状態も良くはなく、子宮内膜も薄いという不利な条件が重なる中、貴重な1個のタマゴが育って着床しました。無事に卒業されました。(2019年7月)
