FSH値が高くても-22
クロミッド周期→自然周期 HR→自然排卵
AMH0.1、FSH20台前半の方。他院にてクロミッド周期の採卵7回(成熟卵10個)、移植3回を経て、転院されて来られました。転院直前の3回の採卵は分割停止、異常受精、空胞という状況。初診時の卵巣サイズは左右とも小さく、胞状卵胞は1個のみと少ない状態でした。月経周期を整えてから、採卵へ。月経時期の胞状卵胞は1個のみ、お薬を使わずに経過観察。小さな卵胞は自然に発育し、初回の自然周期採卵で成熟卵1個が採れました。ふりかけ法を行い、幸い、5日目胚盤胞が凍結できました。その後、FSH30台、40台の周期を経て、移植周期へたどりつき、初回の自然排卵周期の移植で妊娠されました。無事に、卒業されました。卵胞数は少なく、FSHが不安定という中で、幸い間に合いました。(2018年11月)
高刺激法から低刺激法に変えてみたら 高刺激→4年目で低刺激へ
30代後半の方。高度の男性不妊のため顕微授精の適応。他院にて高刺激法(ロング法1回、ショート法1回、アンタゴニスト法2回)での採卵を4回(成熟卵38個:平均9.5個)、その中から合計10個の胚を移植するも結果が出ないため転院されて来られました。前周期に卵巣刺激を受けていたので、二周期かけて遺残卵胞を消してから採卵へ臨みました。低刺激法で採れた成熟卵は4個、これまでより少ないのですが、5日目胚盤胞が3個凍結できました。以前は薬剤を多めに使用して胚移植を受けていましたが、当院では自然排卵周期で胚盤胞移植を行いました。幸いなことに初回の胚移植で妊娠されました。初回の体外受精から無事に卒業するまでに4年半の月日が流れていました。今回は高刺激法から低刺激法を変更してみました。なお、経過により、低刺激法から中〜高刺激法に変更する場合もあります。その都度、考えます。(2018年10月)
判定日のhCG値が低くても アンタゴニスト→低刺激 HR→自然排卵
初診40歳の方。36歳から体外受精を始め、採卵10回、移植10回(初期胚1回、胚盤胞9回)を経て転院されて来られました。「これまで、グレードの良い胚盤胞を移植しても、結果が出ませんでした」と。月経周期を整えてから、採卵周期へ。自然周期で経過をみると卵胞の育ちはゆっくりで、途中から思い出したように注射を併用し(3回)、たどりついた採卵は月経21日目と通常より遅めでした。ゆっくり育った6日目の胚盤胞が二つ凍結できました。初回の自然排卵周期の移植もスローペースで進み、残念ながら陰性でした。すこし周期をあけて、次も再び自然排卵周期の移植でトライ。移植後7日目の判定日、hCG値は12でした。さらに3日後のhCG値は30台後半。数値は、まだ100に届きません・・・・が、その後、胎嚢が確認でき、無事に卒業されました。採卵日が遅く、凍結日も遅く、グレードも低く、hCG値が低くても、何とか卒業にたどりつきました。大器晩成のタマゴちゃん、親に心配をかけどおしの子供が、立派な大人になったみたいです。多くの方に勇気を与えてくれます。(2018年9月)
