FSH値が高くても-20
高刺激法→低刺激法
41歳の方。他院にて30代後半より体外受精を行い、胚移植12回を経て転院されて来られました。初診時のFSHは20台、胞状卵胞は4個でした。遺残卵胞を排卵させ、月経周期を整えてから、採卵周期へ。低刺激法で成熟卵が3個採れましたが、残念ながら発育は停止。翌周期、FSHは20台、胞状卵胞は3個、遺残卵胞はなし。発育した卵胞はひとつのみですが、成熟卵1個が採れ、5日目の胚盤胞で凍結できました。その後の採卵で二個目の胚盤胞が凍結できたところで移植へ臨みました。自然排卵周期の胚盤胞移植で妊娠され、無事に卒業されました。卵巣機能が低下すると、採れる個数も少なくなります。ひとつの卵胞が貴重な妊娠をもたらしてくれました。(2018年7月)
高刺激法から低刺激法に変えてみたら 子宮内膜が薄い HR→自然排卵
初診42歳の方。これまでに高刺激法(ショート法・アンタゴニスト法)での採卵を3回、移植胚の数が10個に達しところで、転院されて来られました。胞状卵胞は3個から4個、直近の月経周期は乱れた状態(無排卵→20日周期→35日周期→24日周期)でした。遺残卵胞を排卵させ、月経周期を整えてから、採卵周期へ。途中で注射を1本使い、低刺激法で卵胞を育て採卵へ。4個の成熟卵が採れました。その中から胚盤胞を2個凍結できました。以前より子宮内膜が6ミリ弱と薄く、初回の胚移植は前医と同じようにホルモン補充周期で行いましたが、厚さは6ミリ前後のまま、結果は残念ながら陰性でした。二回目の胚移植は自然排卵周期+スクラッチで行いました。幸いなことに妊娠され、無事に卒業しました。内膜の厚さなのか、胚の質なのか、妊娠し難かった原因は不明ですが、40代では同じようなケースの方が多くいらっしゃいます。二つの要因が重なると、結果が出にくくなってしまいます。果たして、何がよかったのか。今回は移植周期にスクラッチを行いましたが、よい効果があったのかもしれません。とても貴重な妊娠です。(2018年5月)
