FSH値が高くても-19
顕微授精→ふりかけ法 胚盤胞まで育たない
2025.08.27
初診44歳の方。直近の一年間、他院で採卵を続けるも胚盤胞まで育たないため転院されて来られました。FSHは20台(時に30台)、胞状卵胞は2個から3個と卵巣機能が低下した状態でした。遺残卵胞を消して採卵へ。成熟卵が1個採れ、これまでは顕微授精を行っていたようですが、ふりかけ法を行いました。その後、順調に発育し、新鮮初期胚移植を行いました。結果は、着床反応は出ましたが、残念ながら化学流産でした。培養器の中で育つことがなかった卵が、卵管の中で胚盤胞まで育ったという事実が残りました。
hCGが陰性化してから月経周期を整えて、再び採卵周期へ。月経3日目で卵胞は1個のみ、E2は10台でした。月経7日目で5ミリと6ミリ、E2は40台、小さな二つの卵胞が見えました。その後、二つの卵胞が同じ大きさで育ち採卵へ。幸い、成熟卵が2個採れました。今回も顕微授精ではなく、ふりかけ法を行いました。今回は胚盤胞培養へトライ。培養が順調に進み、待望の胚盤胞が1個凍結できました。初回の胚盤胞移植で妊娠されました。40代の方の妊娠は流産率が高く(45歳以上で6割超え)、患者様もスタッフも、皆がドキドキして迎えた卒業の日。卒業時は45歳でした。
胚盤胞まで育てるか、初期胚で移植するか、顕微授精か、ふりかけ法か、様々な事が複雑に絡む不妊治療ですが、正解を患者様毎に探す日々です。(2018年1月)
